扉の外


扉の外 (電撃文庫)

扉の外 (電撃文庫)

あらすじ

高校生・千葉紀之が目を覚ましたとき、そこは密室で、しかもクラス全員が同じ場所に閉じこめられていた。
訳もわからず呆然とする一行の前に、“人工知能ソフィア” を名乗る存在が現れる。
ソフィアに示される絶対の “ルール”。
だが、紀之は瞬間的な嫌悪感から、ソフィアからの庇護と呪縛を拒否してしまう。紀之以外のクラスメイトは全員そのルールを受け入れ、ルールが支配する奇妙な日常がはじまった。
孤立した紀之はやがてひとつの決心をするが……。


とりあえず

本当は別のもの読むつもりだったんですが、積み本の山に埋もれてしまったようで、適当に引っ張り出したらこれを引き当てました。(それはどうかと…

感想

おもしろいって聞いていたので気にはなっていたんですが、これはおもしろかった

まず、設定が良いですね。
何も情報が無く、しかも閉鎖環境に閉じ込められたような状況から物語が始ります。
少しずつ何かしらのアクションが与えられるわけですが、情報が無い故にそれがどういう意図で与えられたものなのかも分からないため、読んでいる側すらいろいろな憶測をしながら読むことになるわけで、先の全く見えない展開に目が離せなくなります。

そして、閉鎖環境下における人間の、特に集団の心理描写みたいなものがとにかく秀逸。こういう、人がまとまったときに取る行動って、現実においてもゾッとすることが多いわけですが、それが本当によく表されていると感じました。

あと、主人公の行動というか心理も年頃ならではの無謀さがあったり、それに対して空回りしてしまうところも昔の自分を見ているようで凹みそうになりますね。
もっとも、あんなにフラグたったことはなかったけどな…。

総括

物凄く気になるところで終わったから続きが非常に気になる。

適合度:★★★++