ラプンツェルの翼


ラプンツェルの翼 (電撃文庫)

ラプンツェルの翼 (電撃文庫)


あらすじ

《もしもこのトランクを拾った方がいたら絶対に開けないでください。人にとって危険な武器が入っています。開けない限り危害はありません》
 混乱する事故現場で相沢遼一が託された歪にひしゃげたトランク。その中に入っていたのは、両膝を抱えるように丸くなっている精巧な人形のような……一糸まとわぬ少女だった。はたして彼女が危険な武器なのか、もしくは何かの道具(ツール)なのか、それとも──。
 遼一の手元にあるのは七つの駒(ピース)と地図(マップ)とウサギのぬいぐるみ。謎の少女を連れて、目的の見えぬ生き残りを賭けた“禁断”のゲームが始まる!


一応

ネタバレ注意



感想

「扉の外」や「ツァラトゥストラへの階段」の作者の新シリーズが、ようやく読むことができました。



今回は、主人公がいつの間にか一糸まとわぬ少女が入ったトランクを持っていたというところから始まります。
しかも、その女の子に自分の妹の「奈々」という名前を付け、お兄ちゃんと呼ばせます



…こう書くと、病気(ロリコン)が進んで誘拐してしまった人の話のようだ。



実際のお話は、今までのシリーズと同様、命懸けのゲームです。
その少女はそのゲームをクリアするための鍵となって話が進んでいきます。


今回もゲームの全貌は話が進むにしたがって徐々に明らかになっていきますが、今までのシリーズと違って心理戦のような駆け引きの要素が少なくなって、日常の描写が若干増えた感じがしました。
でも、相変わらずゾッとするような真相の表現は上手いですね。


また、最初は感情が画一的だった奈々が遼一と生活を共にするうちに徐々にいろいろな感情が出るようになっていったのが凄く可愛いと思いました。

そして、ラストのワンシーンは非常に良かったですよ。
この物語は最終的にハッピーエンドを迎えて欲しいです。



総括

好きな作家なので打ち切りにならないで欲しいなぁ。

適合度:★★★