つきこい

あらすじ

俺は空を見上げた。街の明かりに白く照らされた夜空に、噂どおり月がぽっかりと浮かんでいた。
「―― 満月じゃなくても、会えるのか」
渋谷ハチ公前交差点。 俺は一人の女性に出会った。
その交差点で死んだ彼氏のトキを何年も待ち続けているという、噂の “渋谷の月待ち女” イズミ。
そして俺は、そんな彼女に惹かれたのだった。

感想

某所で良いって書かれていたので読んでみた1冊。
山科千晶さんって『埋葬惑星』読んだときは微妙だなぁって思っていたんですが、こんな素敵な話も書けたんですね。

構成は、前半が新谷の話(つきこい)で、後半がイズミの話(月下少年)。
元々、電撃hpで連載していた「月下少年」に書き足したものらしいんですが、個人的には「月下少年」だけでも読む価値が十分にアリかと思います。何と言っても、読み終わったあとの切なさが凄く良いです。
もちろん前半の「つきこい」も青春って感じがして良いので、通して読むと更に楽しめますね。

総括

突き抜けているってわけではないですが手堅い1冊でした。
山科千晶って、ハードカバーの小説も出しているみたいなので時間があれば読んでみようかな。

適合度:★★★+