プシュケの涙

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)

プシュケの涙 (メディアワークス文庫)


あらすじ

「こうして言葉にしてみると……すごく陳腐だ。笑っていいよ」
「笑わないよ。笑っていいことじゃないだろう」
 あなたがそう言ってくれたから、私はここにいる――あなたのそばは、呼吸がしやすい。ここにいれば、私は安らかだった。だから私は、あなたのために絵を描こう。


 夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降り自殺した。そのわけを探る二人の少年。一人は、全てがうまくいかず鬱々としてる受験生。もう一人は、何を考えているかよく分からない“変人”。そんな二人が導き出した真実は……。


とりあえず

ネタバレ注意



感想

以前、電撃文庫で発売されたものを手直ししてこの度メディアワークス文庫で販売したのだそうです。電撃文庫で発売されたときに結構評価が良かったので気になっていたんですが、今回、メディアワークス文庫で発売されたので丁度良い機会だと思って読んでみました。


とりあえず、2部構成になっていますが、後半まで読まないと良さが分からないです


いや、最初のほう読んでいたら、真相とか見て「なんて後味悪い話なんだ…」って思っただけだったんですよ。
で、後半は吉野さんの話になり、それも最初は鬱な感じだったのが、由良と出会っていろいろあり(←ここ重要)、最終的に美術部入部する下りが本当に切なくて泣ける話でした。
ハッピーエンドじゃないのがこれほど残念な作品も珍しい。
そして、読み終わった後に表紙見ると最初と違った印象を持つことになると思います。


総括

悲しいながらもどこか温かい話。

適合度:★★★+